電力について

新年明けましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願い致します。

年明け早々、友人の弁護士とエレクトロポリスというボードゲームを遊びました。
支持率や大気汚染に気を付けながら、発電所をなるべく多く建設して
発電量を競うゲームです。
電力政策の難しさを楽しく学べる優れた教材だと感じました。
ちなみに、私は5勝1敗でした。
意外と電力政策のセンスが良いのかも(?)。

電力といえば、昨年末頃、
内閣府原子力委員会が「原子力利用に関する基本的考え方」改定に向けた意見公募を、
経産省エネ庁が「今後の原子力政策の方向性と行動指針(案)」策定に向けた意見公募を、
それぞれ行いました。
「原子力政策の転換」としてテレビや新聞でも報道されていました。
案をざっと読んでみて感じたのは、
原子力利用の必要性と今後行おうとしていることの大枠については
よく説明されているものの、
原子力利用の許容性については
説明が不十分ではないかということです。
例えば、
「ゼロリスクはないとの認識の下での継続的な安全性向上への取組・
業務体制の確立・安全文化の醸成・防災対応の強化」
とあります。
ゼロリスクはないと認識するのであれば、
これらの取組みによっても避けられない事態の発生も当然予見しなければなりません。
そうした事態が発生したとき、どうするのか。
「何があっても政府が責任を負います」の一言、
具体的には、完全な補償の約束が必要でしょう。

昨年6月17日、最高裁は、
福島第一原発事故について国の責任を認めない判決を言い渡しました。
あれほどの甚大な災害が起きても、国は責任を負わないのです(東電のみが負います)。
これでは、安心して原子力政策を応援することは難しいでしょう。

ロシアによるウクライナ侵攻は、まだまだ終わる気配を見せていません。
今後もエネルギーを巡る厳しい状況は続くはずです。
まずはエレクトロポリスを是非遊んでみて下さい!